『土鍋ごはん おたふく』と、いまさら気付いた事。

『土鍋ごはん おたふく』と、いまさら気付いた事。

皆さんごきげんよう。

先日、友人である『黒潮の宿』の女将、上原麗ちゃんがお店に顔を出してくれた。
お互いの近況報告やちょっとした相談事など色々話していてその中で一番うれしい報告が、彼女がこの春に一軒家を改装してランチ限定の土鍋ごはんのお店を開くと言うことだった。

それで、ついては新店舗で使う領収書に押す屋号の印とスタンプカード用の小さい印と、二つ作ってくれないかとのご依頼を頂いた。

麗ちゃんにはずっと以前からお世話になりっぱなしなのでこの際、小さいハンコの方は仕事として受けるとして、もう一つ屋号のハンコはお店の繁盛を祈念してこちらからプレゼントさせてくれ、と提案したら「嬉しい!良いの!?じゃあデザインはお任せで小谷さんのイメージから想像して作ってよ。」と一も二もなく受けてくれた。

彼女のお店の屋号は『土鍋ごはん おたふく』。
普通に角印を作っても仕方ないしな。せっかくだから材料はいつかハンコを彫ろうと乾燥させていた椎の木にしよう。二股に分かれた部分が格好いい。

どの角度なら捺印時や立てて置いた際に一番しっくりくるかを何度も調整し、決まったら印面を平らに整える。

そこに字割の線を引いて鉛筆で薄く下書きし、筆で上書きする。
おおまかな感じで書き、あとは彫りながら。

彫っては押しを何度も繰り返して完成。

自然の佇まいがすでに美しい。日々の暮らしの中に飾りたくなるものを。

数日後、出来上がったことを知らせ受け取りに来てもらった。
彼女は一目見て「これ!!四角い普通のハンコかと思ったけどまさか!」
木を選び文字を書き入れ彫る、一つ一つの工程で様々思いを込めながら作ったハンコは、土鍋ごはんおたふくのイメージ通りだったようだ。
彼女の人柄や、土鍋料理の暖かさが伝わってくれればうれしい。

一連の作業をする中で気が付いたことがあった。
「たぶん自分ははんこ職人じゃないと思う。既成の印材、既にある書体を使って如何に美しい印面を彫るか、技量を高めて如何に効率よく商品を作るかみたいなのより、こんな風にひとつづつ独創的に作るほうが楽しい。だからきっと俺、職人じゃなくて作家。」
そう言うと
「今更何言ってんですか?小谷さん作家ですよ。私ずっとそう思ってましたよ。」
「そうなの?じゃあ俺は今日から作家だ。」
「いや前からですよ。」

『土鍋ごはんおたふく』は、土鍋が好きすぎる上原麗さんがすべての調理で土鍋を使って料理をする唯一無二(多分)の料理店です。
里の静かな一軒家で、地元食材をふんだんに使った心尽くしの土鍋料理を提供してくれます。
ご連絡は Instagramから otahuku00
住所は高知県幡多郡黒潮町伊田903です。
または黒潮町の『一棟貸しの宿 黒潮の家』 黒潮町入野1966 電話080-3923-0696
こちらは宿泊ができます。入野海岸がすぐ近くで特に夏場は最高です。

という訳で 今回はこれまで。

ではまた。

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