磨らない磨りガラス。その秘密は凸にあり。

磨らない磨りガラス。その秘密は凸にあり。

皆さんごきげんよう。やれうつな 蝿が手をすり 足をする。今回はすりガラスについて。

随分と久しぶりの再生日記。更新が無いなかでも実は作業はどんどん進んでいるのです。順を追って投稿する機会を逃してしまって、バラバラとその都度投稿になっております。心の中ではすまぬすまぬと言いながら。

さて現在は町家の坪庭とトオリニワを隔てる扉を作っているところ。
ここの扉にはどうしても磨りガラスを嵌めたいのだけど、広い面の磨りガラスって結構な金額なんですよね。大枚はたいて(と言うほどでもないけど)買ってみて想像と違っていると色々ショックで心が痛みます。

改装のため外したアルミサッシの透明ガラスが何枚もあるので、これを使って何とか自作出来ないか。不眠不休で研究を重ねた結果、ある加工によって問題が簡単に解決しました。

まずはオサライ。すりガラスとはガラス表面を金剛砂などをで微細な傷をつけてくぼみを作り、不透明になる様に加工したもの。
つまり全面的に凹みがあるので光が拡散しているってこと。すりガラスの柔らかな光はレトロな雰囲気を出すには欠かせない。

凹みをつけるためには大掛かりな工作機械が必要なので DIYでは到底むり。じゃあ逆に微細な凸加工をしても同じように不透明になるんじゃないか?と気付きました。
その吹き付ける微粒子は何がいいのか。不透明で微細でガラスにくっついて対候性もある粒子…何かないかなと思って印材のつや消し加工をするために持っていたシリコンラッカースプレーを試しに吹きかけると、そこに曇りが出来ました。シリコンの粒々で膜を作ったのです。

磨りガラスのことを曇りガラスとも言うけど、そっか曇らせればいいのか。しかもガラス面の不透明具合も吹きかける量によって調節できるので、本物の磨りガラスは真っ白になるけどこれは丁度いい具合に透明度が残っている。風合いも理想的だ。なんだめちゃくちゃ簡単ぢゃないか。

注意するのは吹き付ける前にガラス表面の汚れをしっかり取っておくこと。中性洗剤を溶かした水で良く拭いて、その後水気を拭き取って乾燥させることと、屋外すること。これだけ。

元々使われていたアルミサッシ窓から取ったガラス。普通に透明です。
一回吹き付けました。ちょっとだけ曇ってきた。
四回吹き付けた。しっかり曇ってスプレー缶が反射していないのがわかるでしょう。
六回目。裏の文字が曇って読みにくくなっています。このくらいで十分かな。

作業中はラッカーの臭いが結構きついので強制換気と速乾期待を込めて、ブロアーで辺りの空気を吹き飛ばす。お隣さんうるさくてごめんね。

ということで、今回は磨らない磨りガラス。凸式曇りガラス加工の仕方でした。

では、また。