うちの店、狭いんです。

うちの店、狭いんです。

皆さん御機嫌よう。

本日は一足早く春がやってきたかのような温かさで、公園にでも行ってちょっとゆっくりしたいな、と思うような陽気でした。

そんな午後の昼下がりに、男性のお客さんが一人、来店しました。

「あんのさー、持ってる実印の彫り直しってできんの?」
「もちろんできますよ。(わーこの人すっごい酒臭い!!)」
「おれさあ、持ってるはんこの字が気に食わなくて、嫌なんだよね。そのせいか仕事も上手くいかなくて。」
「なるほど…。」
「そんで、良くなるような字にね、彫り直してほしいんだよ。でさあ、書いて。今名前言うからどんな字で出来るか。」

「わかりました、じゃあお名前はなんとおっしゃいますか。」
「あのねー、〇山〇〇…ブオー!!  あ、ごめんごめん。屁がでた。」
「あはは…(うげー勘弁して!この店狭いのに!)」
「じゃ、俺急いでるから、書いといて。また明日来るよ。よろしく!」

と言って彼は風のように去って行きました。
入口ドアを開けっぱなしで出て行ったのは彼の優しさでしょうか。

狭い街でもいろんなお客さんが来ますよ。