皆様 御機嫌よう
此れもまた昨年頂きましたご注文です。
当地では家祈祷(やぎとう)といって神社専属の神官とは別に、普段は違う仕事をしながら、
個人で祈祷をする神職もいまして(中には平安時代から代々続いている
という方も!)、そういう方々が、年始や、お祝い、厄除等の祈祷に使うお札
の作り替えということで、今回はその依頼。
作り替えといっても、持ち込みされる素材の痛み具合で
① そのまま同じ物を作成
② 寸法変更、誤字の直し等、部分的に修正して作成
③ 全文字を書き直し
④ 新規で、台木からすべて作り直し
の4種の作業があります。
これは一部誤字直しがありますので②になりました。
まずは、持ち込みされた印影をスキャナで取り込んで、できる限り
掠れて薄くなっている部分を、濃く見やすく加工します。
それを印刷して、さらに上から筆で修正。
このとき、もとの筆跡をまねながら誤字も直していきます。
そのままパソコン上で書き直しも出来ますが、そうすると
微妙な手書きの味わいが失われるので、やはり筆での書き直しは
必要です。
それを、ゴム板に転写して、そこから刀で彫っていきます。
少しでも切り損なうと、一からやり直しなので気を抜けない作業です。
台木は古いゴムをはがし、汚れを落として、具合によってはやすり掛けを
し直したり、面取りをしたりしてきれいに磨き直しをします。
それに出来たゴム板を貼り付けて出来上がり。
そうやって出来たものが、お札となって各家々に祀られるというわけです。
」