また料理をすることになった件。

また料理をすることになった件。

四月末、町家改修でお世話になっている木材屋さんの懇親会に呼んでもらって、夜中の二時までたっぷりお酒を頂いた。
その際、自分は昔料理店で働いていて今でも料理を作るのが好きだから、今日のお礼に今度何か作らせてよ、六人分くらいなら余裕で作れるよ、とみんなグラグラに酔っぱらう中、そんな話をしていた。

一か月後の五月の終わりにその話が巡り巡って、よくハンコの注文を頂くお兄さんから突然「小谷君どうか助けてくれないか。」と電話があった。
なんでも彼が経営している居酒屋で突如料理人がいなくなってしまって、受けていた予約を断らないと行けない状況で、でもどうしても断れない宴会があって困っていた所、知人から小谷君が料理人だったと言う話を聞いて、無理を承知でお願いだけど厨房に入ってもらえないか、とそういう相談だった。

「急なことやし、自分自身、二十年近く料理の仕事から離れているんで出来るかどうか何とも言えんけど、お世話になっているので取り敢えず近いうちにお話を聞きに行きますよ。」と答え、それから数日経った昨日の夕方、ハンコ屋を終えてその足で件の居酒屋に行って来た。

お店に入ると、お兄さん、木材屋さんのご家族四人、アルバイトの女の子二人が居て、テーブルには既に食べ物が用意されてあった。席に着くなりビールが出て来て「どんどん飲め遠慮するな」と言う。

ご飯を頂きながら話を聞くと、お客さんの人数は12人、とにかく君が作れるものを何でも好きな感じに作って呉れていいから入ってくれないか、欲しいものがあれば何でも買いに行かすから、と相当困っている様子だった。

生ビールを3杯ほど頂いた後、配膳をしてくれていた女の子がまだ夕飯を食べてないと言っていたので、じゃあ何か作って上げる、と余った食材でパスタとサラダを作った。
木材屋の奥さんとバイトの女の子二人がとても喜んでくれて、他にも何かと懇願するので、女性にお願いされると断れんなぁと酔っぱらった頭で考えながらパスタもう一品と簡単ポトフを追加した。

お兄さんも気に入ってくれて「ほんとにこういう感じで良いから、居酒屋メニューに囚われず好きに作っていいから、やってくれないか。」と言う。
「ほんとに好きに作りますよ?」
「全然大丈夫!」
「で、いつ?」
「明日。」
「明日!?」
「明日6時。出来たら明後日も。」
「まあ、お世話になってるし、こんなので良ければやりますよ。明後日は無理だけど。」

と言うワケで突如、料理人再開と相成った。

ハンコ屋の都合もあるから今後どうなるかわからんけど、月に数回、この居酒屋は変わり者料理人がいる面白居酒屋になるでしょう。

夜営業は予約のみ受け付け、しかも自分が入れる日だけなので、気になる方はご連絡ください。

ではまた。

場所はこちら

めしや ゆうゆう

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