泣いて喜んでくれた話。

泣いて喜んでくれた話。

皆さんごきげんよう。

ある日、外国出身らしきお客様が悲壮な面持ちでご来店されました。

「今日中にある書類にハンコが必要で、そのために印鑑証明書がいるんです。登録用のハンコがどんな形ならいいのか市役所で聞いても良くわからないんです。どうすればいいですか!。助けてください!!」
うぅむ、なんだか大変そう。

「印鑑条例は自治体ごとに違うので、四万十市の条例で言えばこんな形のハンコになりますよ。」
と説明して差し上げました。

「すぐ出来ますか!?小谷さん!?今日中に欲しいです!どうしても…」
と言ってお客様は泣き出しました。

「もちろん出来ますよ。必ず間に合うように作ります。すぐ取り掛かりますから、大丈夫。泣かないでください。出来たら連絡しますよ。」
「お願いします!!小谷さん!」

それから直ちに制作作業に取り掛かりましたが、こんな時に限って電話での問い合わせや新規ご来店が相次ぐのです。困ったのは親戚からパソコン作業の相談。オイオイそれは前にも説明したぢゃないか、メモしとけよ。と心の中では言いながらも丁寧に説明して。

そんなことも有りながら、なんとか間に合う時間で仕上げました。

受け渡しの際
「良かった、助かった~!!! 小谷さんのおかげです。有り難う小谷さん!有り難う小谷さん…。」
と言ってお客様は涙を流して喜んでくれました。

「泣かないでいいですから、すぐ市役所に行きましょう。」
「はい!小谷さん!また来ます!」

と言ってお客様は、まだまだ寒い冬の風の中に笑顔で飛び出していきました。

この方に一体何があったのだろうか。

そしてそこまで「小谷さん」を連呼されるとちょっとむず痒い…。

ではまた。

印鑑条例のコピー。四万十市では既製品の三文判は受理されません。ご注意ください。