榧(かや)と土佐文旦のハンコ

榧(かや)と土佐文旦のハンコ

皆さんごきげんよう

あっという間に二月です。もう一週間過ぎました。早いですねぇ。

さて今回は落款印のご依頼です。
書画に使う落款印は、普通の事務手続きに使う印鑑と制作の考え方が違います。
普通のハンコはそれ自体で完成形として使うのでキッチリ作り込みますが、書画用落款印は作品の引き立て役なので、2割くらい余裕のあるちょっとした抜けが欲しい、と私は考えます。
こんなのをPCフォントで機械彫りなんかすると、かっちりハマり過ぎて全く面白くない。だから当然手書きで手仕上げです。
ご使用になる方の作風を壊さず、より良く見えるよう、書画のすみっこで目立たず引き立てる、微妙な味を出すのが難しい…。
マア、そういう印影のことよりも、この印材にご注目!
土佐の名産品、文旦の剪定木を持ち手に使い、彫刻面はこれまた土佐の山で生産される榧(榧(かや)は囲碁や将棋の高級な盤に使われ、商品として流通するのは殆ど樹齢300年以上の材という希少木材)です。
文旦の表面はバルナックライカ3cのシャークスキンみたいな風合い(マニアックですみません)と、ちょっと出た小枝、切断面の傾斜が手になじみ、また榧は木目が詰まっているので朱肉の乗りが良く押しやすいです。

右から左へ 真弓です。落款印は白文が正しい。
かわいいでしょう。二種類くっ付けたのを継材と言います。
汚れ防止キャップ付きで安心。

只今ショップの方はイラストハンコ中心ですが、こういう四万十や高知の自然木を使ったハンコを今後も増やしていこうと思っています。
お知らせしますのでまたご覧ください。

ではまた。                        

小谷印判店 店主